引越しで 要らなくなった物を処分していた最中、押し入れの中から 古ぼけた一冊の大学ノートが出てきた。 何か訳あってしまっておいたのだろうと 興味津々で開いてみる。 そこには、学生時代の英語学習の足跡が見られた。 中でも、大学卒業後の 私の人生の方向を確固たるものにした 懐かしい ある詩の一篇に目が留まった。
Two roads diverged in a wood, and I-
I took the one less traveled by,
And that has made all the difference.
-Robert Frost
そう言えば、この詩に出遭う前、卒業後は就職しか道は 残されていず、英語を米国で極めたいという夢も 情熱だけでは 仕方が無いと 諦めていた。しかし、この詩に出遭い、もしかしたら 私はこの夢に向けての情熱では 人には負けないのだから、 道は拓けるかもという気になり、その可能性に賭ける事にした。 それ以後 私は 運良く奨学金で、アメリカの大学院に進ませて頂いた。 クラスの課題となった 英語のスピーチの中で、「私はこれからの人生、ベルトコンベアーに乗っただけの人生ではなく、私でしか歩めない人生を切り拓いて行きたい。 その道はこの詩にある様に あまり人の歩いた事の無い 草ぼうぼうの道かもしれないが、 私は自分の力で開拓してゆきたい。」と言ったのを覚えている。あれからもう 20年近く 過ぎようとしている。 もう一度 この詩に出遭って、あの当時の 若き情熱一杯の自分が 懐かしく思い出された。 この詩は、長年のブランクを経て 私に 初心に返れ、そして これからの 人生を情熱を持って生きよと 語りかけてくれているかの様だ。