辞書をフルに活用しよう

1999年 9月 01日
作者: 代表 高山和子

よく生徒さんから、どうやったら語彙を増やす事が出来ますかと 尋ねられる。 どの言語でもそうだが、語彙が豊富でないと自分の言いたい事も限られてくる。 しかし、残念ながら 一週間に 1度のレッスンの中だけでは、なかなか期待する成果が得られないのが実状だ。各人のレベルに応じても違うが、ただ単に 話を聞いているだけでは、右の耳から入って 左にぬけるだけになるかもしれない。 英語圏に居住していて 毎日英語に接している人なら まだしも、やはり 日本にいて 限られた時間しか英語に接する機会の無い 我々としては、地道な努力が成功の鍵となるのである。 その為には 日常の学習に 辞典を引く事を習慣ずける事が大切だ。

初級レベルの人は、英和辞典を 英語学習の際は 片時も放さず、最大限に利用する事だ。 レッスン中に引く時間の無い時は、必ず ノートに新出語を書き留め、家に帰り それを調べる。

単 に その語だけを 調べるのではなく、その語の派生語も全てチェックしたい。 まず名詞形に始まり、形容詞形、副詞形、そして 動詞に至っては、自動詞であるか 他動詞であるかによってもまったく 使われ方が違うので、必ず 例文を 2、3書き写し 声に出して読んでみる事が大切だ。 最近では 電子辞典などが でまわっているが、私の学生時代は 辞書を大いに活用し、調べた新出単語には 全て 下線を引き、すでに 下線を引いた単語を再度調べる際には 特に注意して覚えるようにした。 辞書は 私の行くところ どこにも一緒で、厚くふくれあがった手垢のついた 辞書にはとても 愛着を覚えていたものだ。 余談となるが、学生生活を共にした 私のこの研究社の英和辞典は、あまりに古ぼけて汚れていたので ある日 友人に ゴミと間違えられて 捨てられてしまった。 学習の記念に とって置こうと思ったのに残念であった。

もう少しレベルの高い生徒さんには 英英辞典を併用される事をお勧めする。 簡単な名詞を除いて、一つの英単語が すんなりと日本語に訳せる事は少ない。 英単語一つでも 色々な 用法があり、英和辞典の訳だけでは ニュアンスの違うものが多いからだ。 それには 英文になるべく多く接し、文脈の中から その語のニュアンスやそれが、neutral(中立の)、affirmative(肯定的な)または negative(否定的な)意を含んでいるかどうかを 読み取るようにすることだ。 そして 英英辞典で 色々な定義をチェックする。 その他 類義語を調べたい人には、Thesaurus(類義語辞典)をお勧めする。 “anger” 一つをとってみても、wrath, rage, fury, animosity, temper, indignation 等、20以上の類義語を提供してくれるので、語彙を増やすのには 強い味方である。

英語と関っていく課程で、各人に最適なやり方で辞書をフルに活用してゆくのが より学習の効果を高める事につながると思う。

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代表 高山和子 について

岡山県 津山市出身。英語講師。米国ドレーク大学大学院修士課程修了。帰国後、英語教育に携わり、'90年津山市にライト外語スクールを開校、本物の実力を身につけさせる指導に定評がある。国際ロータリー財団奨学生、英検1級、TOEIC 990点、国連特A級。 フル・プロファイル