20年を振り返って – Pt. 3

2010年 8月 26日
作者: 代表 高山和子
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晴れて今年20周年を迎えることができたライト外語スクールは、振り返れば1990年9月、金楊堂ビルの5階から始まったのだった。先日、当校の教室があった金楊堂ビルの前を通りかかると、ビルは取り壊されていて、更地になった後だった。かつて教室があったこの場所で、私は15年ほど英語指導に当たった。多くの生徒さんが当校の狭い扉をくぐり、レッスンを受けに来てくださったこと、蒸し暑い中お祭りの花火を生徒さんと一緒に教室の窓から眺めたこと。様々なことがまるで昨日のことのようにも思い出され、私はしばらく空き地の前から動かなかった。この業界においても多くの大手チェーンが津山に進出して来たが、当校は津山で一番歴史の長い英会話スクールとして存続することができている。これもひとえに当校を選んできてくださっている生徒さんのお陰であると、私は感謝の念に絶えない。

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2004年11月、当校は鶴山公園前の日当たりの良い新築のビルへ移転し、ライト外語スクールの新たな門出を迎えることになった。この新しい教室に移転してから私は、仕事が楽しくて仕方がなかった。とにかく私がイメージした通りの教室である。公園の四季の移り変わりを、教室の大きな窓から眺められるのも楽しく、好きな英語を指導するのも、生徒さんのなかにその成果が確認できることにも、ただ感動していた。私の英語に対するかつての溢れんばかりの情熱がふつふつとよみがえってきたのである。生徒さんの期待に応えるためには、生半可なことではいけない。英語を指導してお金をいただいている以上、私は英語のプロ、指導のプロでなくてはいけない。 英語と英語指導に情熱を注ぐあまり、昔はあれほどのめりこんでいたマラソンにもぴったりと興味がうせてしまった。数多く参加した各地のマラソン大会出場の山積みの参加名簿とゼッケン、そして優勝・入賞の楯やトロフィーが無用の長物となってしまった。しかし、かつてのマラソンへの情熱は英語に注がれ、まるで学生の頃のような情熱が蘇ってきてくれた。私が会員となっている、アメリカに拠点を置く英語のスピーチを通じてリーダーシップとコミュニケーション能力を高める目的のトーストマスターズクラブにおいても、スピーチコンテストに出場し、3年連続で全国大会に出場した。結果は3位と残念なものだったが、私としては、満足のいくスピーチができたので後悔はない。この経験は生徒さんのスピーチ指導にも役立ち、地域のコンテストでは当校から優勝者、入賞者を多く輩出してきている。

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山下の教室はスペースがあることから、教室移転後、英語検定クラスを新設することができた。小学生から数多くの英検合格者を出し、今では各級様々な学年の生徒さんが、各人目標を決めて着実にレベルアップを図っている。またスクールの活動で特記しておきたいものに、当校のウェブサイトとこの年4回出されるニュースレターがある。当校のウェブサイトは、1998年に立ち上げ、年を経るにつれ内容も充実、現在は400ページほどもある。英語学習者に役立つ英語関連の記事が満載で、毎日約60~100人がサイトを訪れている。サイトを見た、と言って、当校がどこに所在するのかも確認しないまま、レッスンを受けたいと東京六本木ヒルズの方や倉敷の方から問い合わせがあったのには、驚かされた。ネットで世界が結ばれている現代、日本だけでなく世界中の人々が当校のサイトを見てくださっているのかと思うと、益々気が引き締まる思いで、これからも、英語学習に役立つ情報を掲載し続けたいと考えている。 また今回で56号になるニュースレターも、最初はB5用紙にお知らせや簡単なあいさつを載せただけの内容に乏しいものであったが、今はかなり充実してきているし、ころからも益々充実させる考えだ。例えば、生徒さんの頑張りを紹介したり、英語のこんなとこが学習者には難しいかもしれないというのを紹介したり、など。紙面に収まりきらないほど膨れ上がっていく内容は、ニュースレターのレイアウトすべてを担当してくれているニック先生にとって、頭痛の種となっている。紙面を通して私たちスタッフの英語指導に対する情熱を少しでも感じてくだされば、と思っているし、また、日ごろお会いすることのないご父兄の方々に当校をもっと知っていただく手段として、これからも継続してゆくつもりだ。

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20周年というのは一つの節目であると思うが、一言に20年といってもその道のりは大変長いもので、自分ひとりではこの場所までたどり着くことはできなかった。火事で住む家をなくした高校時代、苦しい家計の中で父親親戚一同の反対を押し切って大学に行かせてくれた母、多くの候補者の中から私を選んでくれ、多額の奨学金で海外留学を可能にしてくださった国際ロータリー財団の皆様、母一人子一人の家庭で文句一つ言わずにいてくれた長男、リーダーとしての資質に時には欠けるボスのもとで尽力してくれたスタッフ、そして、当校を選んできてくださった生徒の皆様。これまでお世話になった方々に思いをはせるとき、感謝の念で胸があつくなる。この想いを忘れることなく、今度は英語指導を通じて私が生徒さんのお力になれることを強く願っている。

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代表 高山和子 について

岡山県 津山市出身。英語講師。米国ドレーク大学大学院修士課程修了。帰国後、英語教育に携わり、'90年津山市にライト外語スクールを開校、本物の実力を身につけさせる指導に定評がある。国際ロータリー財団奨学生、英検1級、TOEIC 990点、国連特A級。 フル・プロファイル