音読の勧め

2002年 4月 01日
作者: 代表 高山和子

今春から ご入学、ご就職等で新しい環境で 新たなる抱負と共に一歩を踏み出された方も多いと思う。 英語学習に於いても、ただ「楽しいから、話せるようになりたいから」 という漫然とした目標ではなく、ご自分はどの程度まで英語を使いこなせるようになりたいかという確固としたレベルを設定し、その目標達成にむけて スケジュールの許す範囲でこれからの学習プランを新たに練ってみてはどうだろう。 案外 多忙な生活の中にも 一日 30分という時間を必ず英語の学習に割り当てる事は思ったより容易い事なのかもしれない。 そして その毎日の積み重ねが 必ずや 結果となって現れる。

貴 重な 学習時間を 効果的に使っていただく為に、私が 学生時代 必ず学習に取り入れた「音読」をお勧めする。 自分一人で音読練習なんて 受け身的学習方法で直接には 英会話能力のあまり役に立たないと懸念されるかもしれないが、私は 自らの経験からこの「音読」無くして英語の学習は考えられないと思っている。 今は どの教材も テープまたは CDが付いてくるので、何度も聴きご自分の発音をチェックし、時間が許せば音読したのを録音し聞き比べてみるのもよい。 内容を理解した上で、今度は声を出して読んでみる。 目で活字を追い、口に出して読み、耳で音を確認する作業により感覚をフルに活用する事で 文章や単語が脳に自然と定着して行く。 また英語は 日本語を話す時にはそれほど必要としない口の周りの筋肉を活発に使うので、何度も何度もひたすら音読する事によって 自然と筋肉が鍛えられ 日本語には無い口の動きが出来るようになる。 後は 様々な教材で学んだ表現を実際のコミュニケーションの場面で取り込めばよいのである。 そしてそのサンプルをもとに 今度はご自分の文章で発言を展開してゆけばよい。

私事で恐縮だが、中学入学後 初めて英語を習い始めて以来、私はその日本語にないリズムの美しい響きに惚れ込み、とにかく教科書を よく一人で音読していた。 高校では毎日ラジオの英会話のプログラムを聴き、また何度も音読した。 そうすると 大学に入って 初めて ネイティヴスピーカーの先生と英語で話す機会に、これまで 覚えた表現が口をついて出てき、改めて「音読」の効果を実感した。 でも 初めて発した言葉は “You are Mrs. Jensen, I presume. I’m sorry to have kept you waiting. — So what kind of impression has Japan given you?” と なんだか 時代遅れのテキストから飛び出した様な文章だった。 今日 英会話の教材は市場に氾濫している。 私は 自主学習にはNHKのものを推薦するが、ご自分のレベルの合ったものを 選び、効果的に日々の学習で使いこなし、その成果を試す場として英会話の授業を進んで活用して頂きたい。 この学習の積み重ねによって必ずや英語の思考回路に難なく切り替えられる時がやってくる。

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代表 高山和子 について

岡山県 津山市出身。英語講師。米国ドレーク大学大学院修士課程修了。帰国後、英語教育に携わり、'90年津山市にライト外語スクールを開校、本物の実力を身につけさせる指導に定評がある。国際ロータリー財団奨学生、英検1級、TOEIC 990点、国連特A級。 フル・プロファイル