基本に立ち返ること

2000年 12月 01日
作者: 代表 高山和子

時の経つのは 早いもので、20世紀もあと約1ヶ月を余すところとなりました。 記念すべき21世紀を迎えるに当たって、何事もまず初心にかえって謙虚さを忘れずに 学ぶことの喜びを確認しつつ、一歩一歩 日々邁進できる自分であろうと銘記している 今日この頃です。 さて これは 英語を語学として学習なさっている皆様にも当てはまることで、基本に立ち返って学習するというのは大切な事であると思います。 「なぜ日本の学校では 面白くもない文法を教えるのか。 アメリカでは、子供も乞食も文法なんて知らずに英語を 喋っているではないか。こんな事だから 学校で何年英語勉強しても話せないのだ。」といった発言を よく耳にします。 しかし 文法をないがしろにして会話を重視というのでは、「砂上の楼閣」であると言わざるをえません。幼い時から 母親が付きっきりで、子供に英語の環境を提供してきたならともかく、日本に居て、母語を学ぶやり方と外国語を学ぶやり方を同じに扱うことは出来ないので す。 英語圏に何年いても まともな英語が話せないという人は この基盤の部分が出来ていないせいです。 私の場合は 大学受験に備えて常に文法書と照らし合わせて学習した事が 後々の私の英語人生に於いてしっかりとした基盤となっています。 日常会話を学ぶのであれば、中学校の文法をマスターすれば十分やって行けるのです。この基礎レベルでつまずいておられる方は、本棚の奥から昔使った覚えの ある参考書を取り出してもよし、また 書店で基本的な文法書を一冊購入するのもよし、とにかく 机の上に 辞書と共に文法書をおいて、分からない文章に出くわしたら、納得のいくまで 照らし合わせておく事です。 文法書は項目別になっていますので、辞書と同じ感覚で 引いて利用するとよいでしょう。 きちんと文法を押えておくと その先の応用がきくのです。 ああこの文法は会話では この様に用いられるのかというのが分かると、後は 決まり文句を出来るだけ暗記し、場面と話題に応じて臨機応変に文を作れば、相手がどうでようとも受けてたてるようになるのです。 もっとレベルの高い人であれば、長文に取り組む機会も多いでしょう。 その場合 文法は不可欠となります。 いくら長い文章でも 文法をしっかりマスターしていると、文の骨格が把握でき内容が読み取れるのです。 この骨格を理解しているか否かは、その人が文を音読しただけでも 明らかになります。 よく新聞広告に 「ただテープを流しておくだけで、驚くほど英語が出来るようになる。」 といった誇大広告を目にしますが、こんな事はあろうはずがありません。 こんな言葉を信じて 高いお金をテープに投入する余裕があれば、文法書の一冊でも買って、会話のテキストの内容を理解した上で、暗記するという作業のほうがもっと賢明であると 思います。 英語が日常生活の中に氾濫しているとても恵まれた昨今であるので、聞取り練習などは テレビのスイッチをいれれば出来るではありませんか。 しかし、残念ながら 聞取りも各人の英語の知識の範囲でしか理解することができないので、しっかりとした基礎を踏まえて学習してゆく事がまず第一歩であると考えます。

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代表 高山和子 について

岡山県 津山市出身。英語講師。米国ドレーク大学大学院修士課程修了。帰国後、英語教育に携わり、'90年津山市にライト外語スクールを開校、本物の実力を身につけさせる指導に定評がある。国際ロータリー財団奨学生、英検1級、TOEIC 990点、国連特A級。 フル・プロファイル