"a whistle blower" とは新聞やニュース等でよくお目見えする言葉で、 「内部告発者」 を意味する。 動詞で使うと "blow the whistle" 「内部告発をする」 となる。 最近の内部告発に言及するニュースを、この言葉を使って表してみよう。
昨年 世界中を動揺させた新型肺炎(SARS)に関して、中国衛生当局が感染者の数を過小報告したというニュースは記憶に新しい。 その陰には、この恐ろしい伝染病の蔓延を何とか食い止めるために、医者としての生命をかけて事実を告発し発覚に至らしめた人物がいた。
- Dr. Yanyong risked his career, reputation and personal safety to stem the spread of SARS both in China and worldwide. He blew the whistle on the Chinese government’s efforts to keep secret the spread of this deadly new disease.
- Dr. Yanyong は中国と世界にSARSの蔓延を止めるために、自らの職と名声、そして身の安全までを危険にさらした。 彼は、この死に至らしめる新型の病気の蔓延を秘密にする中国政府の取り組みを内部告発した。
アナン国連総長のオフィスが盗聴されていたという事実を、英国政府に通訳として働いていたクレア・ショートさんがたまたま発見し内部告発した。 ブレア首相は その行動を "deeply irresponsible" と非難したが、BBCのインタビューで、ショートさんは「私は当然のことをしたまで。 何度でも告発するわ。」と答えていた。その勇気ある行動にエールを送りたい。
- Clare Short, a whistle blower, said in a BBC interview that she had seen the evidence of eavesdropping on Annan’s conversations in the run-up to the Iraq War.
- 内部告発者のクレア・ショートはBBCのインタビューで、イラク戦争の準備期間中にアナンの会話を盗聴したという証拠を見たと発言した。
ちなみに、The Daily Yomiuri に"Whistle Blowers Unprotected"「内部告発者、保護なし」と言う見出しの記事の中で、日本での内部告発者の権利が守られるべきだと書かれていた。
- "There’s no regulation to ban an employee’s dismissal or other unfair treatment if he or she alerts the authorities to wrong doings within the company."
- 従業員が会社内の悪事を当局に知らせた場合、解雇や不当な扱いを禁止する規制が無い。 (The Daily Yomiuri, March 3, 2004)
最近は、政治家による公設秘書給与の搾取や北海道警の捜査費の不正使用が明るみになった。 ショートさんのような勇気あるwhistle blowersの出現が社会の自浄作用となるのかもしれない。